今日はマッチングアプリにて知り合ったCAとのお話でもしようではないか。
メッセージ交換にてカフェでお話しましょう^^
とアポ。
合流。
会った瞬間にお互い「なんか違う」空気が流れる。
マズイ。いや、せっかくなんだし少しは頑張ろう。
メッセージのやり取りを交えた適当な雑談をする。
「職場はどの辺り?」『都内』
「どんな仕事してるの」『総務』
全ての回答がそっけない。視線が合わない。
質問の仕方に問題があるのか、一問一答形式である。
これはあるあるだ。出会いアプリを使った事のある殿方なら一度は経験のある状態だろう。
その後も色々と話題をふってみるが、全く盛り上がらない。この状況で、目の前を歩いている見知らぬ若い女の子に「すいませんアポが盛り上がらないので話しかけてしまいました」とナンパした方が盛り上がるのではなかろうか。
困った、、、、。非常に帰りたい。
(貴女は休みの日に僕と楽しくお茶する為にわざわざ身支度をして都心まで出てきてくれたのでは無かったのかね!!!!)
人はイラついてくると相手の悪い所が目についてくる。
見た目は詐欺ではないが、写真ほど可愛くはない。というか好みでない。アプリでいいね数1000超えていたし、他に男はいくらでもいるのだろう。ただ僕はそのトーナメント戦で初戦負けしたゴミなのだ。
、、。
悲観的になる前にこの場をなんとかしなければ。
この女。
天然なのか、何も考えていないのか、、、
オーラが絶妙に絡みづらい。
カフェは並んでいたが、すぐ入れそうだったので椅子に並ぶ。
「....。」「....。」
「ロシア料理!」
女は急に発した。なぜか笑顔だ。
僕らの並んでいたカフェの前にはロシア料理店があった。
そうか......!!!!!
この子はものすごく自分の世界を生きている。
僕からの話題など待ってはいない。喋りたい時に喋りたい事を喋る。それ以外は興味が無い。
この子はそうやって生きてきたのだろう。
なんでかって?美人だから?
みんなが優しくしてくれたから??
店内に案内された。
「....。」「....。」
これだ。これでいい。気まずいのではない。
ここでいつもの様に調子良く喋ってはダメだ。
一旦落ち着こう。
凪。
女『あのさ』
これが1つの答えだったのか。
水面から波紋が消えた時、一石を投じたくなる性格なのかもしれない。
『うん^ - ^??』
口角を意識し、優しい感じで応じてみた。
話題提起は任せてしまおう。
すると今までがウソだったかの様に語り出す。
この後の予定の話。仕事の話。
アプリにいたやばい男の話。休日の過ごし方。
なぜアプリに登録したかというと、年末年始に実家に帰った時に「彼氏はいつ連れてくるの?」「結婚まだなの?」「孫はいつなの?」攻撃を親戚中から受けて、触発されたからとのこと。
そこから自分の相手に求める理想の話。
学歴は大卒以上。同世代。
高めの年収。(僕のアプリでの年収は600-800万円に設定しているが、これは実際の年収から2ランク引き上げたらいいね数が増えるかどうかの実験中である事は決してバレてはならない。)
と、ここで本日初の質問。
『どういう女性が理想なの^^??? 』
「えっ、なんかそういうのって感覚的なものだし難しくない( ᷇࿀ ᷆ )??」
『じゃあ、データ的には^^??』
データってなんですか( ᷇࿀ ᷆ )
ゴメン。ここまでは少し難解なゲームを攻略するモチベで頑張れたけど、
既にウルトラ帰りたいです( ᷇࿀ ᷆ )
女の言う「理想のタイプは?」は回答が自分に当てはまるかの確認作業である。
適当に当たらずしも遠からずな応えをしつつ、雑談を混ぜつつ、雑談に移す作戦を実行。
なんとか間をもたせる。
長い。永遠に共に。
ー。
「そろそろ時間だよね??いこっか!!」
僕はバレないように小躍りをした。
(ようやく自由の身!!!!)
終了。リピート無し確定。
「ありがとう楽しかった!!(るーるるん♫)」と向こうからメッセージが来た頃には僕のHPはゼロになっていたのだった。
【プロファイリング】
・無趣味
・同性の友達いなそう
・おっさんウケ良いアピール過多
・自分を美人だと思っていてプライド高い
非常に疲れた2時間だった。
人は短時間でここまで他人を疲れさせる事ができるのか。
きっと頭も良いし、見た目だって悪くない。
しかも男の大好きなCAという称号持ち。
普通にしてれば、20代半ばでまあまあの金持ちと結婚して、特に可愛くもない赤ちゃんの動画を毎日のようにストーリーズに上げるような位置にいるはずなのに、僕の目の前に現れたという事は。
、、そういう事なのだ。
翌日。
今日は楽しい。仲良い男4人で飲みだ。
活きの良い酒の肴もある。
「ハイ今から昨日のCA子に年収カミングアウトLINE送りまーす^^」
「イケイケー!返事はやくー!!」
「きたっ!既読になりました!」
「はよぅはよぅ写真もっかい見せてー!」
大盛り上がりだ。
明らかに、この為の昨日だった。
【完】